一般の放射線測定器では「もの」は測れないことをご存じですか?
あなたは、放射線測定器をお探しですか?何の放射能を測ろうと思っていますか?
今、日本で個人向けに販売されている放射線測定器のほとんどは、「ガンマ(γ)線の空間線量率」を測定する製品です。(測定の単位が゜マイクロシーベルト/時、μSv/h」になっていると思います。) 実はこれらの空間線量を測る測定器では、食べ物や土壌など「もの」の放射能汚染を正しく測ることができません。
ここにご紹介する『PKC-107』は、ガンマ線の空間線量(マイクロシーベルト/時)はもちろん、食品や土壌、建材などものに含まれる放射線を「ベータ線」も含めて測定できる、ベラルーシ(チェルノブイリ事故のあった国)製の放射線測定器です。(※福島原発から海に漏れ出している「汚染水」は、大量のストロンチウムを含んでいますが、ベータ線しか出さないため、空間線量用の測定器では検知できません。)
PKC-107は現在、ベラルーシやロシアを中心に『業務用("プロフェッショナル・ユーズ")』として販売されており、ベラルーシ政府やロシア政府の品質基準に適合した製品として正式登録されています。
ロシアの販売サイト
←写真はベラルーシの首都ミンスクの市場でPKC-107を使う検査員(2011年撮影)
なぜ「もの」の放射線を測る必要があるのですか?−「内部被曝」の怖さ
放射性物質を食べ物や呼吸によってからだの中に取り込むと、特定の臓器に蓄積し、ガンだけでなく心臓疾患などさまざまな疾病を引き起こします。また、放射線が細胞にある遺伝子を傷つけ、それが子ども、子孫に受け継がれて異常が現れます。これが『内部被曝』の怖さです。
例えて言えば、あなたが暖炉の前に座っているとしたら、体が温まるのは「外部被曝」、燃えている真っ赤な炭を食べるのが「内部被曝」です。
空間線量率(マイクロシーベルト/h)では、内部被曝は防げません
マイクロシーベルトとベクレルの違い
内部被曝を防ぐためには、放射線を身体の外からどれだけ浴びるかではなく、そこにどれだけの放射性物質があるのか、を測らなければなりません。そのためには、「空間線量率(マイクロシーベルト/時)」ではなく、「ベクレル」の単位で測る必要があります。
たとえば東京の水元公園では、空間線量率は0.27マイクロシーベルト/hなのに土壌の汚染度が250,000ベクレル/kgの場所がみつかっています。離れていれば大丈夫かもしれませんが、その場所のホコリを肺に吸い込んだら、被曝量は0.27マイクロシーベルトでは済みません(※東京23区の土壌汚染の平均値は約1,000ベクレル/kgと言われています。)「シーベルト」の値は「ベクレル」の値に実効線量係数という医学的根拠がはっきりしない0.0000021といった係数をかけ算するため、値が小さくなってしまいます。たとえば地面に1,000ベクレル/m2の汚染があったとしても、空間線量率では0.0027μSv/hにしかならないため、空間線量用の測定器では検知できません。空間線量だけ測って安心してしまうと、高濃度の放射性物質の存在に気づかず、かえって危険なことがあるのです。
チェルノブイリ事故の際の避難の基準は空間線量ではなく、土壌(地面)の汚染度(ベクレル/m2)でした。来日した元ゴメリ医科大学学長のバンダジェフスキー氏も「放射能に関する単位は"シーベルト(Sv)"ではなく、"ベクレル(Bq)"で評価すべきである」と言っています。
ベータ(β)線測定の必要性
また、空間線量率はガンマ線を測定しますが、ものの汚染度は原則としてベータ線を測定します。ベータ線は、離れると減衰(弱くなる)ため、そのものから出ていることがはっきりわかるからです。そして内部被曝による健康被害が大きいのも、ガンマ線よりもベータ線です。(ちなみにセシウム137はベータ線を出して別の核種に変わり、それがガンマ線を出します。)
一般に販売されている空間線量用の測定器は、ベータ線を測ることができません。
一方、PKC-107は、ベータ(β)線を測定できるため、セシウムだけでなく、ベータ線しか出さない危険なストロンチウム90なども含めた汚染を知ることができます。
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公共工事で除染土を再利用へ 全国の道路、防潮堤に
2016年6月に、環境省は、放射性物質濃度が基準以下となった除染土を全国の公共工事で使うとする再利用の方針を示しました。
方針案によると、長期間掘り返されることがない道路や防潮堤などの公共工事に利用先を限定し、放射性セシウム濃度を1キログラム当たり5千〜8千ベクレル以下としています。また、万が一漏れ出した場合は「回収する」と回答しています。国は福島県内の除染廃棄物の量を最大2200万立方メートル(東京ドーム18杯分)と推計しています。今後、8000ベクレル/kgの除染土が、全国に拡散され、私たちの身近なところで使われることになります。
【最新】2019年12月に福島第一原発事故の除染で出た土の再生利用について環境省は、福島県飯舘村で行っている実証事業の結果、安全性に問題は出ていないとして、農地としての再生利用に向けて手引きを作成する方針を示しました。
ホットパーティクルの危険性
東電の発表によると福島第一原発からは、現在も毎日2億4千万ベクレルの放射性物質が大気中に放出されています。(原子力規制委員会の「定時降下物モニタリング情報」を見れば、現在(2017年)も宮城県から神奈川県まで毎月セシウムが降り注いでいることがわかります。) また、放射性物質が集まって微粒子となったホットパーティクルが、福島だけでなく関東でも広範囲に降り、現在も地面に落ちてホットスポットの原因となっています。舞い上がったホットパーティクルを吸うと肺に留まり、内部被曝の原因になると言われています。(左の写真で光っているのがホットパーティクル。森住卓氏のブログから)。放射能汚染食品の可能性
【放射能汚染に関する記事】
■汚染水、浄化後も基準2万倍の放射性物質 福島第一原発(朝日新聞 2019年9月28日)
福島第一原発の敷地内のタンクにたまる汚染水について、東京電力は28日、一部のタンクから放出基準値の最大約2万倍にあたる放射性物質が検出されていたことを明らかにした。今回分析した浄化されたはずの汚染水約89万トンのうち、8割超にあたる約75万トンが基準を上回っていたという。
■出荷制限中のクロダイから過去最高値のストロンチウム90検出(Yahooニュース 2017年7月28日)
東京電力ホールディングス(以下、東電)は、福島第一原発から20km圏内で採取したクロダイから、これまでに最高値となるストロンチウム90を検出し、その分析結果を7月13日に発表した。(中略)セシウム濃度の高かった上位5試料について、ストロンチウム90(半減期約29年)の濃度を分析してみたと言う。その結果、木戸川沖合2キロで、今年1月下旬に採取されたクロダイ(全長50.6センチ、重量2.24kg)から、27ベクレル/Kgのストロンチウム90を検出した。
■セシウム値が急激に上昇? 東京湾のコイも福島原発沖のヒラメ以上に汚染されていた!(週プレNEWS 2017年1月23日)
本誌は2016年秋、旧江戸川と通じる新中川の下流域で捕獲した全長約70cmのコイをすり身にして放射能測定所のNaI(TI)シンチレーション検出器で測定したところ50Bq/kgのセシウムを検出した。(中略)長崎大学大学院の小川進教授によれば「これまでの知見から魚類では放射性物質の生態濃縮が100倍から1万倍の規模で起こることがわかっていて、大型で魚の生態系の上位に位置する魚は特にそれが顕著に現れる」のだという。
■川が新たなセシウム運ぶ 東京湾河口部汚染−(東京新聞 2016年12月2日)
東京湾に注ぐ主要河川の河口部で、本紙が独自に堆積物を採取し放射性セシウム濃度を調べたところ、東京電力福島第一原発事故から五年半がたっても、川で運ばれてきたセシウムが新たに蓄積され、濃度はあまり低下していないことが分かった。調査は三回目。海水魚はセシウムを取り込んでも排出するため、影響は限られるとみられるが、継続的な監視は必要だ。
基準値越えの食品を食べてしまう恐れ
食品の放射線の基準値は現在100ベクレル/kgですが、それを越えた放射能汚染食品を食べてしまう可能性が無いとは言えません。その理由は次のとおりです。
- 大半の農産物、魚介類等の検査は「抽出検査」です。事故当時の厚生労働副大臣も「サンプリングですから、規制値を越えたものが全く流通していないと確信のできる状況では無い」と発言しています。さらに最近では、食品の放射能検査自体が縮小される傾向にあります。
- ヨウ素、セシウム以外のストロンチウム、ウランなど他の放射性核種は、検査されていません。
- 東京電力は昨年、福島第一原発の汚染水が2年間にわたって、地下水を通じて海に流出していたことを発表しました。流れ出た汚染水に含まれる放射性物質は、ストロンチウム90が約10兆ベクレル、セシウム137は20兆ベクレルに上ると試算されています。魚介類の汚染は今後も拡大するおそれがあります。
専門機関に頼まないと無理?
現時点で食品による内部被曝を確実に防ぐためには、購入した食品に含まれる放射線量を実際に測るしかありません。しかし、一般に食べ物の放射線量の測定に使われる測定器は、安いものでも100万円以上と大変高価で、個人が購入することは困難です。また専門機関に依頼しても1回数千円以上かかってしまいます。 そこで、個人でも購入可能な価格で、食品の放射線量を検知できる機器はないか、と様々な測定器を検証した結果、見つけたのが、今回ご紹介するベラルーシ製の「PKC-107」です。
微量な放射能汚染を検出できる放射線測定器(ガイガーカウンター)PKC-107
「PKC-107」は、放射線対策の先進国であるベラルーシやロシアで現在、家庭・業務用として使用されている放射線測定器(ガイガーカウンター)です。
この測定器の特徴は、食品などをベクレルの単位で測定・検出できることです。
※ガイガーカウンターとは、放射線の検出にガイガーミューラー計数管を使う測定器です。
放射線測定器(ガイガーカウンター)PKC−107
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※2本の放射線検出管です。 |
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■製品仕様
製造国 | ベラルーシ | ガンマ線測定時間 | 53秒±1,2秒 | |
製造メーカー | Belvar社 | ベータ線測定時間 | 37秒±1,0秒 | |
ガンマ線量率 | 0,01〜999μSv/h | 比放射能測定時間 | 240秒±6,0秒 | |
ベータ線粒子束密度 | 0.01〜999 /(s*cm2) | 電池 | 角形電池(9V)1個 | |
放射能質量濃度 | 2〜9990 Bq/g | 寸法 | 160×82×45mm | |
ガンマ線エネルギー範囲 | 0.0595〜1.25 Mev | 重量 | 450g | |
ベータ線エネルギー範囲 | 0.3〜2,2 Mev | 動作気温 | -10℃〜+40℃ |
PKC-107は現在、ベラルーシの市場でも業務用として使われています。
食品市場に持ち込まれたベリーをPKC-107を使って検査する様子
(ベラルーシの首都ミンスクにある食料品市場にて(「NHK番組スタジオパーク「食の安全・ベラルーシから学ぶこと」2011年11月7日放映より)※スクリーニングとしてPKC-107で箱ごとの汚染度のばらつきを検査しています。この野生のベリーの基準値は、185Bq/kgです。
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驚くべきPKC-107の検出能力
PKC-107が、他の放射線測定器(ガイガーカウンター)とどう違うのか、緑茶のティーバッグを使ってテストしてみました。
お茶の葉には、天然の放射性カリウム40が1kgあたりおよそ600ベクレル含まれているため、ティーバッグからは微量の放射線が出ています。ティーバッグ2つで4gですから、計算上は2.4ベクレルになります。比較に使用した堀場製作所のPA-1000 Radiは大変精度が高いと言われているシンチレーション式の測定器(定価10万円以上)、RADEX社のRD1008は、2011年に開発された表面汚染も測れる新製品のガイガーカウンターです。(カリウムとセシウムの人体への影響は異なりますが、どちらもガンマ線とベータ線を出しています。)
PKC-107性能テスト1(緑茶ティーバッグの自然放射能の測定)
ホリバPA-1000 Radi | RADEX RD1008 | PKC-107 |
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何もない状態で空間線量率は0.062マイクロシーベルト/時です。 |
何もない状態で、表面汚染(下段の数字)は、ゼロです。 |
何もない状態で、値は0.70を示しています。 |
緑茶ティーバッグを測っても、値は変わりません。 |
上段の空間線量率も下段のベータ線の表面汚染も、値は変わりません。 |
PKC−107の値は0.78で、何もない状態と0.08の差を検出します。 |
このようにPKC-107は、シンチレーション式の空間線量計でも検出できない「もの」の微量な放射能を検出することができます。
PKC-107性能テスト2(放射性セシウム137に対する感度)
次は、放射性セシウム137に対する感度を調べました。テストに使用したのは点線源のため、距離が離れると急激に放射線が減少します。同じ25cmの距離で測定しました。
PA-1000 Radi | PKC-107 |
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PA-1000 Radi | PKC-107 | |||
バックグラウンド | セシウム137 | バックグラウンド | セシウム137 | |
最高値 | 0.064 | 0.078 | 0.76 | 0.87 |
最低値 | 0.045 | 0.055 | 0.63 | 0.73 |
平均値 | 0.0564 | 0.0683 | 0.689 | 0.797 |
BGとの差 | - | 0.012 | - | 0.108 |
Radiの差0.012μSv/hは、メーカーの説明書(換算グラフ)では約170Bq/kgに当たります。PKC−107では0.108の差を検出しました。
PKC-107性能テスト3(ストロンチウム90に対する感度)
次は、ベータ線だけを出すストロンチウム90に対する感度を調べました。線源から50cmの距離で、これは表面汚染で約0.12Bq/cm2にあたります。
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PKC-107が微量な放射線を検出できる理由
なぜPKC-107は、通常のガイガーカウンターでは検出できない放射線を検出できるのでしょうか。主な理由は3つあります。
理由1 主にベータ線を測定している
一般に「空間線量率(μSv/h)」は、ガンマ線を測定します。しかしガイガーカウンターの検出器(GM管)はベータ線に対する感度がガンマ線より100倍以上高く、普通の測定器は金属板などでこのベータ線を遮断してガンマ線だけを測定しています。
PKC-107はベクレルモードではこのベータ線を直接測定するため、空間線量率を測る測定器では数字に表れない程度の放射線でも検出できるのです。
理由2 単位がシーベルトではなくベクレルである
空間のガンマ線量率の単位である「マイクロシーベルト」の値は、放射線の数を示す「ベクレル」の値に実効線量係数という1より小さい係数をかけ算して表示しているため、値が小さくなってしまいます。たとえば1,000ベクレル/m2の汚染があったとしても、空間線量率では0.0027μSv/hにしかなりません。このため空間線量用の測定器ではPKC-107のように小さな値を表示できません。
理由3 1回の測定サイクル(時間)が長い
一般の測定器は、1回の測定につき20〜30秒間の間に入ってきた放射線の数を数え、それを繰り返して平均値を計算します。一方、PKC-107のベクレルモードでは1回の測定時間は4分間であるため、1回の測定で数える放射線の数が多くなります。例えて言えば、降っている雨の量を比較するのに、30秒間ためるのと4分間ためるのとでは、どちらが微妙な差がわかるか、ということです。
他の測定器との比較
PKC-107は、多機能かつ操作が簡単です。また、検出器は高感度GM計数管を2本使っています。
製品名 | GM計数管 | ガンマ線 | ベータ線 | 表面汚染 | 食品測定 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
PKC-107 |
2本 | ○ | ○ | ○ | ○ |
空間、表面汚染、食品の3モード、ベクレル/kgで測定できる。微量な放射線でも検出できる。 |
プリピャチ(PRIPYAT) |
2本 | ○ | ○ | ○ | ○ |
食品測定の単位がベクレルではなく「キュリー」。ロシアではPKCの2/3の価格、操作が大変複雑。 |
ECOTEST TERRA (MKS-05) |
1本 | ○ | ○ | ○ | × |
食品モードは無し。GM管が1本だけなので感度はPKC-107の半分 |
RADEX RD1008 |
2個 | ○ | ○ | ○ | × |
表面汚染を測定できるが表示は「6」から整数単位。PKC-107のほうが0.01単位でより細かく測定できる。 |
RADEX RD1706 |
2本 | ○ | × | × | × |
空間線量を測るのにβ線の影響を受けてしまう |
Inspector+ |
1個 | ○ | ○ | ○ | × |
表面汚染は単位面積(cm2)当たりが表示されない |
ホリバRadi PA-1000 |
シンチレーション式 | ○ | × | × | ○ |
食品は専用容器に入れる。検出下限200ベクレル/kg。価格約10万円〜 |
エステー エアカウンターEX |
シリコン半導体 | ○ | × | × | × |
空間線量のみ。他の製品に比べて数値が低めに出る |
3つのモードの表示と切り替え方
操作パネルの右の中央のボタンを押すことで、モードが切り替わります。
空間線量率モード | 表面汚染モード | ベクレルモード |
---|---|---|
液晶バーを一番上にして空間線量率(マイクロシーベルト/時)を測定します。 |
液晶バーを中央にして表面汚染(毎秒1平方センチメートルあたり)を測定します。 |
液晶バーを一番下にしてベクレルを測定します(表示された値から1kg当たりを計算します)。 |
食品の放射能の検出・測定方法
現在の食品の検査は抽出検査であるため、基準値を超えた汚染食品を買ってしまう可能性はゼロとは言えません。しかし、PKC-107を使えば、次のような簡単な方法で少なくとも高度に汚染された食品を食べてしまうことを防ぐことができます。(※一般の空間線量用の測定器では、このような使い方はできません。)
食品汚染チェックの方法(日常的な使い方)
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【手 順】
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食品放射線の測定方法(厳密な方法)
食品(液体または液状にしたもの)は、付属のケースを使ってベクレル/kg単位で測定できます。液状でない食品も汚染の度合いを検出・比較できます。
@まず、モードボタンでベクレルモードにしてからスタートボタンを押し、食品がない状態でのバックグラウンド(環境)の放射線を測定します。複数回測定し、自分で平均値を計算します。 |
A測定したい食品(液体または液状のもの)をケースに入れます。測定器に触れない程度になるべく多めにします。 |
Bケースの上に測定器を置いて、複数回測定し、平均値を計算します。 |
C当社のオリジナルマニュアルに基づいて、カリウム40などの影響や誤差を考慮して、ベクレル/kgの値を算出します。 |
※1kg当たりのベクレル数は、専用ケースの体積と表面積および液体の比重を基準にしています。
測定結果の例
上記の方法で、2種類の茶葉(緑茶)を測定した結果です。このように産地による差を検出することができます。(差の0.074は、計算上740ベクレル/kgとなりますが、液体ではないため、あくまで相対的な値として評価します。)
※各測定ごとの値のばらつきは、入ってくる放射線の量がその都度異なるためで、誤差ではありません。(高額な測定器でも測定値はその測る都度、異なります。)
1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | 合計 | 平均値 | 差 | |
2011年度 S県産 | 0.88 | 0.83 | 0.96 | 0.78 | 0.90 | 4.35 | 0.870 | 0.074 |
2011年度 M県産 | 0.88 | 0.86 | 0.74 | 0.78 | 0.72 | 3.98 | 0.796 | − |
野菜の汚染度を推定する方法
農家の方や家庭菜園等をされている方は、土壌を測定することで、作物の汚染度をより厳密に推定できます。放射性セシウムが土壌から植物へ移行する割合(移行係数)は平均0.05未満(農水省)ですので、作物の汚染度は土壌の20分の1未満ということになります。(※土壌等の測定は天然の放射性物質や肥料のカリウムを考慮する必要があります。)
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水の汚染を検出する方法
ベータ線は水中では数ミリしか飛べません。このため水のままでは検出できない汚染度の場合でも、水を蒸発、乾燥させて残った物質を測定すれば、放射性物質の量が一定以上の場合は検出できます。
(「蒸発濃縮」は、文部科学省が雨水など放射能測定で採用しています。)土壌の測定
土壌にある処理を施すことで専用ケースに入れてベクレル/kg単位で測定できます。また、地面に近づけて「表面汚染モード」または「ベクレルモード」で測れば、汚染度合いの比較ができます。
土壌の測定結果
福島県伊達市の土壌サンプルをPKC-107で測定し、高精度のゲルマニウム半導体検出器の結果と比較しました。土壌には天然の放射性物質が含まれているため、同じ土質でセシウム濃度の差を比べました。
■試料採取年月:平成24年7月
■試料採取場所:福島県伊達市霊山町
■比較用分析器:ゲルマニウム半導体検出器(オルテック社製)
畑の土A(530Bq/kg) | 畑の土B(2,800Bq/kg) | 畑の土C(18,000Bq/kg) | |
最高値 | 0.93 | 1.15 | 2.65 |
最低値 | 0.75 | 0.99 | 2.40 |
平均値(各5回測定) | 0.834 | 1.054 | 2.540 |
畑の土Aとの差 | 0.0 | 0.220 | 1.706 |
PKC-107の値(Bq/kg換算) | - | 2,200 | 17,060 |
ゲルマニウム検出器の値 | - | 2,270 | 17,470 |
このように2,000万円近くするゲルマニウム半導体検出器の測定値とほとんど同じ値となっています。
※製造メーカーでの検査による製品ごとのベクレル測定の誤差は、通常±10%以内となっています。
空気の微量な放射能汚染の検出・測定方法
ホットスポット等から風で舞い上がったホコリなどの放射性物質は、微量な場合、通常の空間線量用の測定器では検知できません。
このような微量の空気の汚染は、PKC-107を使ってマスクや24時間換気扇(吸気)、エアコン、空気清浄機、自動車、掃除機などのフィルターをベクレルモードで測定することで調べることができます。(※除染作業における内部被曝のスクリーニング検査でも、マスクの表面汚染の測定が行われています。)
外出時に使ったマスクを測定することで、放射性物質を吸い込んでいるかどうか調べることができます。 | 室内の汚染は、掃除機や24時間換気扇(吸気)のフィルターを外して調べることができます。 |
また、屋外に干した洗濯物や除染作業に使用した衣類などが汚染されているかどうかも調べることができます。
表面汚染モードでの測定
PKC−107は、ものから出ている放射線を測ることができます。他の製品でも表面汚染が測れるものがありますが、大半は単位がCPM(カウント・パー・ミニッツ、1分当たりのカウント数)です。これに対してPKC−107は、単位面積(1平方センチメートル)当たりの1秒間の放射線量(ベータ粒子束密度)を測定できます。ロシアなどでは輸入品の検査にこの単位を使っており、除染の基準値が設定されています。測定はベクレルモードと同じように裏のふたを開けて測ります。測定時間は1回約37秒です。(単位の換算、基準値等は当社マニュアルに記載しています。)
植え込みなどのホットスポットの発見に | ブロックなどの建築資材の測定に | 自動車の表面汚染の検出に |
ご利用者様のご紹介
"住医学研究会"は、「生きている材料でつくること」「身体に良い材料を使い、カビや菌の発生を防ぐこと」「自然の科学エネルギーを活用すること」「"間違った家づくり"を知ること」を4本柱とした『医師が認める本物の家づくり』を推奨する、全国に34社38拠点を持つ工務店グループです。 |
空間線量率の測定方法
PKC-107は他の測定器と同じように、ガンマ線の空間線量率(単位:マイクロシーベルト/時)も測定できます。測定時間は54秒です。測定が終わると音で知らせてくれるので、室内であればテレビを見ながらでも測定できます。
@空間線量モードは、裏のカバーつけておきます。 | Aモードボタンで空間線量モードにします。 |
Bスタートボタンを押して測定開始 | C音が鳴って表示が止まったら測定値を記録します。これを5回繰り返して平均値を計算します。 |
福島県内での空間線量率の測定
元中央農業総合研究センター主任研究官の中島秀治氏から、PKC-107を使って福島県内の空間線量を測定した結果をお送りいただきました。堀場製作所製のRadiと比較しています。モニタリングポストの下(未除染)で測った値は、PKC-107は0.64で、モニタリンクポストの値0.636とほぼ同じ値となっています。
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使用する電池
電源は角形乾電池(9v)で、一般の電気店やホームセンターで販売されています。
放射線測定器PKC-107の特徴
ここまでお読みいただき、誠にありがとうございます。放射線測定器PKC-107の特徴をまとめます。
PKC-107を使ってできること
【2022年11月現在入荷未定】 |
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販売価格 69,000円(税別) |
Q&A
ガイガーカウンターで食品の放射能が測れるなんて、嘘ではないですか?
嘘ではありません。もちろん一般に販売されている空間線量用のガイガーカウンターでは、よほど高濃度に汚染されていない限り検出できません。一般に食品に使われるシンチレーション式に比べてガイガーカウンターは感度が低いから測れるわけがない、と言う人がいますが、それはガンマ線で比べた場合であり、PKC-107のようにベータ線を長時間測定すれば可能です。実際にベラルーシでは食品用として使われています。
何ベクレルまで測れるのですか?
メーカーの仕様では、正確なベクレル数が測定できる「定量下限」は5回の測定で「2Bq/g(2000Bq/kg)」となっています。これに対して放射線による汚染がわかる「検出限界」はもっと低く、測定回数(時間)を増やすほど低くなっていきます。ベラルーシの市場では、185Bq/kgが基準値の果物の汚染度の差をみるのに使われています。当社のテストでは、セシウム137に対して約170ベクレル/kgに相当する放射線を検出しました。現在の食品の基準である100Bq/kg以下は検出が困難ですが、それ以上であれば汚染の有無や汚染度合いを検知することができます(測定値については相対的な値として見ます)。
食品の基準値以下が測れなければ、意味がないのではないですか?
残念ながらPKC-107では100ベクレル/kg以下の放射線は検知できません。100Bq/kg以下を測るには、遮蔽容器付きのシンチレーション式等の測定器が必要です。しかし、食品の検査が現在も「抽出」検査であり、放射性物質は移動するだけで決して自然消滅しないことを考えると、数百ベクレル以上の食品が出回らないとは断言はできません。また、山菜や家庭菜園の作物、自分で釣った魚など、食品の検査ルートを通らないものも汚染の可能性があります。
また、例えば1kg当たり100Bqのものがあった場合、水分を蒸発させて重量が10分の1になれば、濃度は10倍つまり1kg当たり1,000Bqになるので、検知できるようになります。
PKC-107が最も優れている点は何ですか?
空間線量率だけでなく、ものの微量な放射能汚染が測定できることです。現在、日本で購入できる10万円以下の製品の中では、測定単位や測定時間の面から最も感度が高いと言えます。
他の表面汚染が測れる測定器と比べて価格が安いのはなぜですか?
他の測定器では、例えば10秒間の測定結果を5回分記憶しておいてその平均値を表示するなど自動計算機能を持っています。PKC-107は、測定した都度結果を表示するため、平均値は測定者が自分で計算する必要があります。しかし自動計算する測定器も、実際は複数回測定してその平均値を自分で計算することが求められるため、結果的にはPKC-107と同じことになります。
外国製なので保証はどうなりますか?
通常の使用で購入後3年以内に故障した場合は、無償で修理または、新品と交換いたします。その後については、修理費を実費でいただき対応いたします。
わからないことがあったら質問できますか?
メールやお電話でお気軽にお問い合わせください。
当社だけの特典
当社オリジナル日本語マニュアル
製品にはメーカーが作成した英文マニュアルとそれを翻訳したものがついていますが、当社では、操作説明に加えて独自の内容を盛り込んだカラー写真付きのオリジナルマニュアル(A4サイズ)をおつけします。
【マニュアルの内容】(メーカー説明書に記載のない独自内容)
- 汚染が無い場合の標準的な空間線量率の値の範囲
- 表面汚染を判断する基準値
- 土壌をベクレル/kg単位で測定する処理方法
- 食品に含まれる放射性カリウムの影響を差し引くための2つの方法
- 食品を入れる容器の注意点
- 測定の精度を高める方法
- 誤差を考慮した汚染の有無の判定の仕方
- 家庭でできる校正(製造時との測定値のズレのチェック)の方法
オリジナル付属品
付属品として、メーカー説明書(英語および日本語)、当社作成日本語マニュアル(A4サイズ、14ページ、カラー写真入りで操作方法などをわかりやすく解説)、操作パネル用シール(日本語)、9V角形乾電池(※新品をセットして発送します。国内一般電器店で購入可能)、汚染防止用ポリエチレン袋(市販品)1枚をおつけします。
《カラー写真入りの詳しい日本語マニュアルがついています。》 |
当社だけの出荷時メンテナンスと3年間保証
海外製のため、入荷時にすべての製品を検査し、必要な場合はアラーム音の調整や内部清掃などをしてから発送しています。
また、製品にはメーカーの保証が1年間ついていますが、これに2年間を加えて、購入後3年間は通常の使用で故障した場合、無償で修理または、新品と交換いたします。簡易校正サービス(有料)
平成29年から、PKC-107の校正サービスを始めました。当社所有のセシウム137放射線源を使用して、空間線量モード、表面汚染、ベクレルモードのそれぞれについて、10回測定し、平均値が規定範囲を超えた場合は、計数管を交換(無料)いたします。
アフターフォローついて
当社では、PKC-107を十分にご活用いただくため、より適切な測定方法や自分で出来る校正方法など製品の活用方法を開発し、オリジナルマニュアルを常にバージョンアップしています。また、これらの内容を踏まえて、購入者様からのご質問に随時メール等でお答えしております。
【2022年11月現在入荷未定】 |
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販売価格 69,000円(税別) |
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